アレルギー発症に深く関わっている免疫細胞、TH1とTH2。この2の免疫細胞がくずれることで、アレルギーが発症すると言われています。

詳しく、アレルギーの発症メカニズムを見てみましょう。

免疫細胞Th1とTh2のバランスのくずれとアレルギー

例えば花粉症の場合、花粉が鼻や口から体内に入ると、最初に出迎えるのが、貪食(どんしょく)細胞といわれるマクロファージです。名前のとおり、なんでも食べてしまう細胞で、取り込んだ花粉をタンパク質分解酵素などで処理して、その断片が細胞の表面にでてきます。

するとこれが見張り役の抗原提示細胞に異物と認識され、その情報がT細胞に伝わります。T細胞は司令塔の役目を果たす免疫細胞です。

T細胞には、Th1細胞とTh2細胞の2種類があります。Th2細胞は異物に対してもアレルギー反応を起こし、Th1細胞はアレルギー反応が進みすぎないように見張っています。健康な状態では、この2つのTh細胞はバランス(Th1/Th2バランス)がとれた状態になっていますが、アトピー性皮膚炎や花粉症などのアレルギーを起こしやすい人には、Th2細胞が多いことがわかっています。

大量の抗体を産生するのは、抗体の生産工場であるB細胞です。アレルギー症状が起こっているときは、Th2細胞が過剰に活性化して優性になり、B細胞に抗体を産生するように指令をだします。この抗体は体のガードマンともいえるものです。

次にこの抗体が肥満細胞と結合した状態で花粉などの抗原に出会うと、白血球のなかの顆粒球や好酸球、好塩基球といった免疫の主役たちが、協同してヒスタミンなどの炎症物質を作ります。このヒスタミンがアレルギー症状を発症させていくのです。

花粉症やアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患は、ここ数十年で急速に世界中に広がりました。日本でも、3人に1人は、なんらかのアレルギーに悩んでいると推定されています。

この背景には、花粉やダニ、ハウスダストなどのアレルゲンの増加、車や工場からの排気ガスなどの化学物質と環境の変化、肉食やファストフードなどを多く食べるようになった食生活の欧米化、現代社会の精神的ストレスの増加などが考えられています。

注目される「衛生仮説」

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そこで、アレルギーの増大で注目されているのが、「衛生仮説」です。

「回虫がいる地域ではアトピーの子どもが少ない」とか、「地方の農村部では花粉症が少ない」といったことをお聞きになったことがあるかもしれません。

「衛生仮説」とは、清潔になりすぎたことで、人間がもともともっていた免疫調整力が低下しているのではないかと考え、「衛生環境がよくなったことによる感染症の減少が、アレルギーの増加と関連しているのではないか」というものです。

この仮説は、アレルギー体質の子どもを対象とした疫学調査をもとに、1989年にイギリスのストラシャン博士によって提唱されました。この仮説は、人間の免疫系がどのように作られていくかを、先ほどのTh1細胞とTh2細胞のバランス(Th1/Th2)で説明しています。

通常、新生児は、Th2細胞が優位な状態で生まれてくることが知られています。その後、2~3歳までの幼少期に、さまざまな病原微生物や腸内菌叢によって、過度な刺激を受けることによって、Th1細胞が次第に発達し、Th2細胞優位の状態からTh1/Th2のバランスのとれた免疫系へと変わっていきます。

幼少時に、さまざまな微生物による刺激を受けることで正常な免疫システムとなり、その結果、アレルギーリスクが減少すると考えられるのです。

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