腸内環境が脳‐うつをコントロールしていた!?

NHKスペシャルで放映されていた”腸内フローラ ~解明!驚異の細菌パワー~”の特集の中でかなり驚くべき腸のしくみが紹介されていました。ご覧になった方は、衝撃を受けたのではないでしょうか?

うつの症状は脳がコントロールしていると考えられていました。しかし、うつ症状、性格まで、腸内の細菌が影響しているということが研究で分かってきたのです。臆病なねずみ、臆病でないねずみを容易し、腸内細菌を丸ごと入れ替える実験をしました。

すると、いままで段差からものおじせず降りていたねずみが、降りることができなくなり、逆に段差から降りられなかった憶病だったねずみは、段差から軽々と降りるようになったのです。この結果はなんどやっても同じだったそうです。

私自身も会社勤めをする中で、うつ病にかかって会社を休んでなかなか仕事復帰ができない方を多くみてきました。知人のだんなさんは、薬づけになって自殺行為寸前のところまでいって大変な思いをされているケースもありました。精神科にいっても、特段良い治療もなく、危ない薬を大量にだされてうつが悪化してしまうことも増えています。うつに苦しむ患者さんは多く、体に優しい根本治療はないものなのかと、考えさせられますよね。

そういった中で、うつ症状に大きく関わると言われている、「セロトニン」は腸内環境と深く関わっていることが解明されてきたのです。脳にアプローチする薬をだすことがうつ病の標準的な治療ですが、今後は、腸内の改善だったり、元気な人の腸内細菌を移植する治療にシフトしていくかもしれません!

腸はセロトニンの95%を作る工場!腸でセロトニンが作られるメカニズムとは??

なんと、セロトニンの90~95%は、腸内で作られています。「腸は第二の脳である」という学説は、コロンビア大学医学部の解剖細胞生物学教授マイケル・D・ガーション博士が提唱して、センセーションを巻き起こしました。

腸といえば、胃で消化した食べものを栄養といらないカス(うんち)に分けて吸収・排出するだけの”くだ”だと考えられていました。しかし、腸には150億個(!)もの神経細胞が存在していて、脳に便意野信号を送ったり、自律神経の調整を行っています。

腸の中にどのようにセロトニンが作られるかというと、セロトニンになる前の、5-HTPという物質がトリプトファンをもとに腸内で作られます。そのうちの9割は腸の中に、残りは血液の中の血小板、脳の中に数%存在します。

腸内細菌によってセロトニンの生産性が異なる

腸内細菌は、それぞれ人によって異なっていて腸内細菌の状態によってセロトニンの生産がうまくいかないケースがあることが分かっています。

そのため、うつ患者の方に、正常の方の腸内細菌(正常な人の糞を移植する)を移植することで、うつが改善するのではないかという仮定で研究がすすめられています。

いままで直らず、死に至る難病が、健康な人の糞を移植すれば、2,3日で治ってしまうケースもあるようです。のどから管を通して、腸まで直接糞を移植するのですが、かなり大変な治療ですね。

糞をカプセルにして、腸で溶けるようにした新技術も開発されているようです。

うんちを移植して病気が簡単に治るなんて夢のようです。うつ病も強い抗うつ剤で余計に症状が重くなったり、薬がやめられなくなるといったことも耳にします。

将来、うんちの移植でうつが簡単になおる時代がくるなら、とても素晴らしいことです。

疑問!腸で作られるセロトニンと、脳で作られるセロトニンがどう違うの??

脳内で産生される「脳のセロトニン」は、交感神経系と連動しながら覚醒状態や体内時計のコントロールを行っています。

またドーパミンやノルアドレナリンのコントロールを行うのも、「脳のセロトニンの仕事」と言えますので、感情の起伏や衝動の激しい人は、脳内のセロトニン不足に陥っていると言えるでしょう。

この他にセロトニン全体の8%となる「血液中のセロトニン」は、偏頭痛に繋がる血管の収縮に関係していると言われています。

腸内と比べれば「微量」といっても過言ではない脳と血液中のセロトニンですが、心や体の安定を図るために重要な役割を担っていると位置付けて良さそうです。

トリプトファンはセロトニンの材料。うつ改善のために積極的にとろう。

トリプトファン=体内で作れないので、食事からとる必要があります。乳製品や卵、魚、お肉、大豆製品などのタンパク質を積極的にとることをおすすめします。納豆は、発酵食品なので、腸内環境の改善にも効果的です!
豆乳 53mg/100g
牛乳 42mg/100g
プロセスチーズ 291mg/100g
ひまわりの種 310mg/100g
アーモンド 201mg/100g
肉類 150~250mg/100g
赤身魚 200~250mg/100g
糸引納豆 242mg/100g
すじこ 331mg/100g
たらこ 291mg/100g
そば 192mg/100g

うつ傾向にある方は、トリプトファンをしっかり摂取して、腸内でセロトニンがたくさんつくられるように工夫することがおすすめです。

またセロトニンを効率良く作り出すには、ビタミンB6や鉄分の助けも必要となりますので、「たんぱく質を中心にバランスの良い食生活を心掛けること」非常に重要だと言われるようになりました。

特に現代人の多くは、食品添加物や脂質をたっぷり含んだジャンクフードや、朝食抜きの食習慣などによって「セロトニンを作る材料不足になっている傾向」が高いとされていますので、心身の不調に悩まされている皆さんは「きちんと食事を摂ることから始めるべき」と言えるでしょう。

また炭水化物を摂取すると、トリプトファンを脳内に多く運べるようになりますので、「脳のセロトニンを

ここでご紹介した食品を摂取しても、「全くうつが改善しない!」という場合は、腸内でトリプトファンの分解ができていないことが考えられますので、まずは腸内環境の改善を行うようにしましょう

セロトニン産生に欠かせない「腸内フローラ」って何?

腸の中のセロトニンは、お花畑にように集まった大腸菌の群れである「腸内フローラ」の中で産生されています。

善玉菌が多い腸内フローラは、たくさんのセロトニンが作られる環境です。腸内フローラの環境を整えて、善玉菌が多い状態であれば、セロトンニンがスムーズに作られて、精神のバランスが整います。

これに対して便通が悪く、悪玉菌が多い腸内フローラでは、セロトニンの生産がうまくなされません。

腸内はセロトニンの90%を産生する大事な臓器となりますので、心の乱れを改善するためにも、腸内フローラを良い環境にすべきと言えるでしょう。

こんな生活習慣が腸内環境を乱す!

下記のような生活習慣の皆さんは、既に腸内環境の環境が乱れにより、トリプトファンの分解やセロトニンの産生が上手くできていないかもしれません。

《運動不足》
運動を全くしない人は、腸内の蠕動運動が悪いため、「排便がスムーズに促されない」という状況に陥りがちです。

腸内で便の腐敗が進むと、腸内フローラの悪化に繋がる悪玉菌が増える結果となってしまいます。また運動不足の皆さんはセロトニンの分泌が悪いという特徴もありますので、腸と心のために簡単なウォーキングなどから始めてみるといいですね。

《昼夜逆転生活》
昼夜逆転生活をしている皆さんは、交感神経系のバランスが崩れやすい傾向があるため、排便異常に陥りやすい体質となっています。

また体内時計の乱れは、腸内細菌にも悪い影響をもたらしますので、セロトニンを良い形で分泌させるためにも、夜22時~24時の間には就寝して、朝6時~7時の間に起きる生活が理想です。

《加齢》
中高年以降になると、善玉菌の代表であるビフィズス菌が減少していきます。ま

た活性酸素の働きなどによって「悪玉菌が増えやすい腸内フローラ環境」となるため、若い頃とは違った策が必要となるのです。中年期以降の人間は、生活習慣病などにかかるリスクも高くなりますので、まずは食習慣の改善によって腸内環境を良い方向に導くべきと言えるでしょう。

ストレスが腸内環境を悪化させることもある!0ストレスによって交感神経が優位になると、大腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)に異常が生じます。

蠕動運動が鈍ったままの状態が続けば「便秘」になりますし、過度な収縮や緊張状態が継続すると「痙攣」を起こすこともあるのです。

また近年では「ストレスと過敏性腸症候群との関連性」も注目されていますので、腸内環境を良くするためにも、「ストレスから解放されるべき」と言えるでしょう。

ストレスによる腸内環境の悪化は、セロトニンの産生を低下させることに繋がるため、結果として「精神不調がいつまで経っても改善されない」という悪循環をもたらします。

乳酸菌がストレスを緩和する!

乳酸菌を摂取すると、「唾液中コルチゾール」というストレスホルモンの分泌が抑制されます。

また乳酸菌によって腸内の善玉菌が増えれば、「セロトニン産生に適した腸内フローラが作られる」という状態となりますので、ストレス要素に負けない体が作られるのです。

ストレスフルな毎日を過ごしている人は、自律神経やホルモンバランスの乱れによる「心身症様症状」に悩まされる傾向がありますが、生活習慣の改善を通して腸内環境を良くすれば、偏頭痛や胃腸トラブルなどの「身体的不調」も改善していくと言えそうです。

乳酸菌+カルシウムというヨーグルトもおすすめ!

カルシウムには「コルチゾールの抑制」や「神経の興奮を抑える効果」があるため、乳酸菌と一緒に摂取することで、更なるストレス解消効果が得られます。

また体内のストレスが減少すると、腸管からのカルシウム吸収もスムーズになりますので、「ヨーグルトからカルシウムと乳酸菌を摂取すること」の相乗効果は非常に高いと言えます。

ビタミンD配合ヨーグルトならカルシウムの吸収率アップ!

ストレス過剰状態によってカルシウムの腸内吸収が悪くなっている人には、「ビタミンD配合のヨーグルト」もおすすめです。

ビタミンDには、小腸におけるカルシウムの吸収や、カルシウムの血中濃度を高めてくれる作用があります。ビタミンDは、摂取したカルシウムを効率良く作用させたいという人には欠かせない成分です。

またビタミンDには免疫力を高めてくれる作用もありますので、ストレスによる免疫低下が気になる皆さんにも嬉しい成分と言えるでしょう。

ビタミンD不足は、世界の全人口における「約半数」に認められる傾向がありますので、カルシウムとセットで摂れるヨーグルトを活用するのも現代人に合った摂取法と言えそうです。

ストレスに効く乳酸菌も発見されている!

近年では、「ストレスに効果的な乳酸菌」も多く発見されています。

カルピス社と徳島大学の共同研究で発見されたCP2305は、「腸の働きが良いと脳がリラックスし、腸がリラックス状態の時には腸の働きも改善する」という脳腸相関に着目した乳酸菌です。

CP2305を摂取していると、ストレスの緩和や脳のリラックス、睡眠改善効果も期待できるため、「腸内フローラが乱れてセロトニン産生が難しくなっている人」には特におすすめの乳酸菌と言われています。

またこの他に、L.ガゼリ乳酸菌にも「ストレス軽減効果」があるとされています。

腸内環境とストレスが改善すると鬱も治る!?

乳酸菌の摂取によって腸内環境が改善すると、次第に「鬱状態」が緩和していきます。

またたくさんのセロトニンによって「セロトニンサイクル」が促されるようになれば、眠りホルモンのメラトニンもスムーズに分泌されますので、ストレスによって生じていた睡眠障害も次第に緩和していくと言えるのです。

精神科や心療内科ではうつ病の治療にSSRIなどのお薬を処方しますが、これらは「一時的に症状を改善するだけ」でおすすめできません。

特にSSRIを服用していると、セロトニンが過剰分泌された結果として腸の蠕動運動に停滞が生じることもありますので、結果として腸内に悪玉菌が急増し、「自らセロトニンを作る力」がなくなってしまいます。

また薬によって大量分泌したセロトニンは、神経伝達物質全体のバランスを乱すことに繋がりますので、長期的な視点で考えても「SSRIに頼るのではなく、乳酸菌によって腸内フローラを改善した方が良い」と断言できます。

自分の力ではコントロールできないうつ病の際には、「SSRIなどのお薬の力を借りること」も重要となりますが、なるべく服薬中に生活習慣を改善して、「腸からセロトニンを増やせる体を作ること」が理想であると言えるでしょう。

まとめ

うつ病や心身症の原因となるセロトニン不足は、腸内環境の改善からアプローチするのが最も効率が良いと言えそうです。

特に便秘によって腸内環境が悪くなっている人には、乳酸菌の活用がおすすめとなりますので、自分に合ったヨーグルトやサプリメントから「腸内環境を改善してくれる良質な菌」を摂取するようにしてください。

腸内環境改善に適した菌(乳酸菌)は、「胃酸で分解されずに腸まで届くもの」となります。

ヨーグルトなどのパッケージでは「生きたまま腸に届く」と書かれていますが、そのような商品と出逢えない場合は、特殊なコーティングによって「胃酸で溶けにくい工夫」がされている乳酸菌サプリメントの活用がおすすめです。

乳酸菌サプリメントは、「腸内環境を改善してくれる乳酸菌がメイン」の商品となりますので、食品として摂取するヨーグルトのようにカロリーや糖分を気にする必要がありません。

またサプリメントは食べ物のように胃腸に負担をかけることもないため、うつ病によって食欲が低下している時期でも気軽に摂取することができるのです。

うつ病で精神科や心療内科に行くと、SSRIなどの「脳内のセロトニンを増やす薬」が処方されますが、その1錠を乳酸菌サプリメントに変えることができれば、自らの体でセロトニンを増やせる「自活」ができると言えるでしょう。

またSSRIなどの抗うつ薬の多くは高い依存性によって「飲み始めたら手放せなくなった」という被害が問題視されていますので、副作用のない乳酸菌サプリメント摂取を優先した方が、うつ病の皆さんが陥る「なかなか進まない断薬」の心配もなくなると言えそうです。

乳酸菌サプリメントは腸内環境を良い状態にキープしてくれるサポーターとなりますので、うつ病が治った後でも、再発予防としても飲み続けてみると良いでしょう。